『私を喰べたい、ひとでなし』ノベライズの感想
ノベライズの感想を書こうと思ったらコミック12巻までの感想みたいになってしまった。
ノベライズの時系列的にはコミック7巻のあと。5話入っていてゆるく連続したお話になっている。 全体としてオタクの求めるものを的確に出してくれた感じで非常に満足。誤解を恐れずに言えば、ストーリー構成は二次創作にある小説、なんだけど、そこはさすがに公式でコミックの内容を掘り下げつつしっかり必要な情報を補ってくれていてうれしい。
個人的にノベライズに求めるものとして、どうしても漫画ではこぼれ落ちがち、あるいは読者の解釈に委ねられがちなキャラクターの内面の感情を文字情報で確定的に描いてくれるというのがあり(もちろん、小説作者個人の解釈で固定されてしまうという議論はあるが、一旦脇において)このノベライズはそこを丁寧にやってくれていて満足感があった。 とくに、ポーカーフェイス気味(かつ一番「妖怪っぽい」)の汐莉さんがいったいどういう気持ちで比名子をみているのか、その重たい感情を丁寧に言語化してくれていて、あまりにも不器用ながら、妖怪サイドから人間へ少しずつ歩み寄っていく彼女の変化を感じ取れてとても良かった。 あとは美胡ちゃんの過去の話を小説として読めたのもうれしいポイント。村人と縁を結んだ美胡ちゃんが最後に無我夢中で彼らを守ったシーンは本当に良すぎて…ちょっと泣きそうになった。
色々書きましたけど、やっぱりこの作品は単なる湿度高い百合モノってだけではなくて、そのバックグラウンドにあるストーリーがとても丁寧に構成されていて、だからこそ現代に生きる3人の関係が魅力的に見えるんだなと思った。
そういう意味では8巻以降もアニメで描き出して欲しいな〜という気持ちは常にあります。仕方ないと思うが、アニメ1期だけではどうしてもなんか暗い百合…が前面に出がちでそれはちょっともったいないと思うのでした。